秘密の部屋

人々の好奇心を掻き立てるツタンカーメン王。弱冠10歳にして古代エジプトの王に即位し、紀元前1322年に19歳でこの世を去りました。それから3,000年経った今でも、この類い希なる王の人生は大部分が謎に包まれたままです。

ツタンカーメン王の光輝く黄金の墓は、発見前に盗掘者に荒らされることもなく、1922年に初めて発掘され、世界を魅了しました。にもかかわらず、王のアイデンティティや血統はいまだ明らかになっていません。世界最先端のDNA分析でも、血筋に関する「単純な」疑問に答えを出すことはできませんでした。答えを強く求めようとすると、さらに複雑になっていく問題なのです。

専門家の分析から、また別の衝撃的な推論が持ち上がりました。ツタンカーメン王の墓は実際のところ誰のために建てられたのか、という問題です。ファラオの墓にしては小さすぎると考えられるため、ツタンカーメンの突然の死を受けて転用された可能性があります。埋葬室に飾られていた遺物も、先代の王の墓が流用された可能性を示しています。そのため、ツタンカーメン王の墓は実際はもっと大きな部屋であり、それが壁で囲まれて塗り直されたという説が、とりわけ信憑性が高いとされています。2015年11月、レーダースキャンによって、ピラミッド内に隠し部屋が存在する(正確な位置はまだ特定されていません)可能性が明らかになると、この説が有力視されるようになりました。

だとすれば、次に浮かんでくる疑問があります。この名高い王の墓で秘密の部屋に眠っているのは誰なのでしょう?残念ながら、この疑問に対する答えを得るには、別の疑問に答えを出さなければなりません。ツタンカーメン王の前後にエジプトを統治していたのは誰なのでしょうか?わかっているのは名前だけ。それも、ネフェルティティがツタンカーメンの即位前にエジプトを共同統治し、ツタンカーメンの死後にまた即位したときに、ネフェルティティ自身が用いていた偽名ではないかという説もあります。

古代エジプトには非常に多くの謎が残されており、研究者らがこの文明への理解を深めようと研究を進めるにつれて、謎がいっそう複雑に絡み合っていきます。そして、ツタンカーメン王、ネフェルティティ、隠し部屋の住人が、この謎を解くための鍵となりそうです。